会津若松市七日町駅から東へ数百メートルほどのレトロな建物のカフェが「なぬか町茶房結」だ。会津若松市湊町に伝わる伝統料理「豆腐もち」を提供する店としてオープンした。
　豆腐もちは木綿豆腐に醤油と出汁、みりんを混ぜて火に掛けたものをもちに絡めて食べる。会津若松市湊町に豆腐店が多くあったことから各家庭で食べられていたが、豆腐店が閉店したことで伝統が失われつつある。その伝統を皆に知ってもらいたいという店主の齋藤和恵さんの思いがあり、観光客が集まる七日町で開店した。
「湊町の豆腐もちを、みんなに食べてもらいたい。知ってもらってそして受け継いでいきたい。」と齋藤さんは店のコンセプトを語る。湊町では高地であることから冷害によって米が採れないときがあり、豊富にある清水を利用して豆腐が作られるようになった。かつては各地区に豆腐店ができるほど親しまれるようになったものの、現在ではハレの日のご馳走として家庭で食べられるだけになった。「メディアに紹介されたこともあり、豆腐もちを食べたいと会津を訪れてくれても提供する店がない。なんとかしなければ」と決意した。
　豆腐もちには湊町の大豆で作った豆腐を使用している。豆腐もちの他にも、もちでアイスを包んだ「雪うさぎ」などの和風スイーツや、サイフォンで淹れたコーヒーが人気だ。観光で有名な会津若松市だからこそ、会津でしか食べられない地元の味を提供する。

営業時間10時～17時
定休日　火曜日
（駐車場は福島信販ロードン七日町駐車場）