アスパラガス
会津のアスパラの生産量は全国的にみてもトップクラスを誇ります。県内では約90パーセントが会津産。アスパラを切ると切り口からは水分が溢れ、生でも食べられるほど甘さが特徴です。アスパラの品種は安定した収穫が見込めるウェルカムが会津では主流です。
ホワイトアスパラ
遮光栽培のホワイトアスパラも実はグリーンアスパラと同じ品種で栽培されています。完全に遮光されたハウス内は、明かりなしでは何も見えないほど光の侵入を遮断しています。これは少しの光であっても光合成が進んでしまい、緑色になってしまうため。
ハウス内は暑く、ムンッと湿度が高い。アスパラはこの高温多湿の環境を好みます。ホワイトアスパラは、グリーンアスパラに比べて茎径が太くなります。その理由は光が遮断されると、伸長に時間がかかり、水分を多く含むからです。そのため、同じ太さのグリーンアスパラとホワイトアスパラの重さを比べるとホワイトアスパラの方がずっしりと重い。一口ほおばれば、フレッシュな味わいとサクサクとした食感が楽しめます。
紫アスパラ
南会津町田島地区もアスパラの栽培がとても盛んな地域。標高約550メートルの高原地帯で栽培されるアスパラは、激しい寒暖差によって甘みが引きだされるため、市場での高評価をうけています。南会津は、全国的にも珍しい、緑・白・紫の三色で展開される三色アスパラの栽培が盛んです。
三色アスパラは、高級百貨店などを中心に販売されており、高品質さで消費者の人気を集めています。特に紫アスパラは、アスパラ総生産量の一割にも満たしていないため、希少価値のある食材になっています。
紫アスパラは日本ではまだまだ認知度が低いですが、南ヨーロッパの地方では紫色が主流です。三色の中で一番糖度が高く柔らかな食感。ポリフェノールが、グリーンアスパラの約10倍も含まれており、この豊富なポリフェノールによって紫色に色づきます。茹でるときれいな紫色は緑色に変わってしまうため、紫アスパラの色を楽しむには、お酢やレモン汁などを加えて茹でることがきれいな色を保つ方法です。食事は視覚からとよく聞くように、サラダなどに加えて、色のアクセントとして楽しむのもおすすめです。
アスパラガスが出来るまで
アスパラガスの品種
「ウェルカム」と「ハルキタル」を中心に栽培しています。ウェルカムは、収量が良く穂先が開きにくい長所があります。一方、ハルキタルは、福島県で育種された品種で収量・品質が良いのが特徴です。
冬に収穫、促成アスパラガス
通常、春から秋にかけて収穫するアスパラガスですが、12月から2月の冬の間もアスパラガスを出荷しています。
秋にアスパラガスの株を掘り取り、冬に施設の中で加温して発芽させています。
アスパラガスの栄養成分
アスパラガスは、アミノ酸の一種であり、うま味成分でもあるアスパラギン酸を含んでいます。アスパラギン酸は、新陳代謝を高める働きをし、利尿作用によって毒素を体から排出するのを助けます。他に、ビタミンB2やビタミンC、食物繊維も多く含んでいます。
アスパラガスの保存方法
【生での保存】
アスパラガスは乾燥しやすいので、切り口に濡れた新聞紙を当ててから、ラップでくるむか、または保存袋に入れて保存します。
アスパラガスは、生のまま長く保存できませんので、新鮮なうちに調理します。
【加工して保存】
硬めにゆでて冷凍庫に保存すれば、冷凍のままフライパンなどに投入して調理できます。
おいしいアスパラガスの選び方
穂先が締まっていて茎がまっすぐなもの、全体的に色が濃く、ツヤがあるアスパラガスが良いです。
生産者コメント
鵜川良一さん
会津の中でも特に盛んな地域が、蔵どころで有名な喜多方市である。喜多方市慶徳町の鵜川良一さんは、アスパラの栽培をはじめて30年以上の大ベテラン。1ヘクタールの圃場、32棟でグリーンアスパラとホワイトアスパラを栽培している。鵜川さんの圃場は水はけが悪い。しかしこれが好都合で、アスパラに欠かせない保水力や保肥力が高まるため、おいしく育つ秘訣だと鵜川さんは話す。
取材日:2016年4月
JA会津よつばアスパラ動画